社民党・第51回衆議院選挙公約を読み解く:「消費税ゼロ」と「平和憲法」で目指す社会民主主義

時事

2026年2月8日に投開票が行われる第51回衆議院選挙に向けて、社民党が公約を発表しました。福島みずほ党首のもと、消費税ゼロ、軍拡反対、社会保障充実を三本柱に、「平和・人権・持続可能社会」の実現を掲げています。8つの政策分野にわたる具体的な公約を見ていきましょう。

物価高対策:消費税ゼロで暮らしを守る

社民党の公約で最も大胆な政策が消費税率のゼロ引き下げです。物価高対策として、消費税を完全に廃止し、インボイス制度も廃止して中小事業者の負担を解消します。

財源として、大企業の内部留保への課税、所得税と法人税の累進性強化、防衛費の引き下げを提示。軍拡予算をやめることで、軍事費確保のための増税(防衛特別所得税など)とインフレをもたらす国債発行の中止を主張しています。

消費税の逆進性を解消し、富の再分配を実現しようとする政策です。

働く人の権利:最低賃金1500円以上へ

労働政策では、物価高に負けない大幅賃上げと最低賃金全国一律1500円以上を掲げています。最低賃金引き上げのための中小企業支援を強化し、非正規雇用の正規雇用への転換を促進します。

ワークライフバランスを大切にし、労働時間規制緩和や労働基準法改悪に反対する姿勢を明確にしています。最低賃金1500円は現在の全国平均から5割増となる大幅な引き上げで、中小企業への支援策とセットで提示されています。

社会保障の充実:年金・医療・介護を守る

年金政策では最低保障年金制度の樹立と基礎年金の増額を掲げています。すべての高齢者に一定額以上の年金を保障し、老後の貧困を防ぐ仕組みです。

医療・介護では、介護報酬の引き上げと介護従事者の待遇改善による人手不足解消を目指します。混合介護と自由診療を規制し、高額医療費やOTC医薬品の自己負担増に反対します。

マイナ保険証の取得強制に反対し、紙の健康保険証の継続を主張。国公立病院の統廃合を許さず、地域医療を守る姿勢を明確にしています。

教育無償化:大学まで学費ゼロへ

教育政策では大学までの教育無償化を実現し、奨学金は給付型(返済不要)を原則とします。現在高校までの無償化を大学まで拡大し、貸与型奨学金から給付型への転換を目指します。

インクルーシブ教育を推進し、すべての子どもが学べる権利を確立。高校無償化・幼保無償化からの朝鮮学校排除を是正し、仮放免中の子どもにも学ぶ権利を保障します。ICT教育のあり方も見直します。

基礎定数改善で教員の労働環境を改善し、教員のなり手を確保します。

地域と環境:脱原発と地方再生

災害対策として、自衛隊の一部を災害対策に特化した「災害救助隊」に改編する独自提案を行っています。

エネルギー政策では、地震の多い日本に原発は不要として、再生可能エネルギーの普及で脱原発を進めます。原発再稼働には反対する姿勢を明確にしています。

農家戸別所得補償で第一次産業を活性化し、消費者が安心できるコメの価格を実現。地域の公共交通を守り、待遇の改善で運転手・ドライバーを確保します。

ジェンダー平等:差別のない社会を

クオータ制の導入などで女性の政治参画を推進し、暮らし、仕事、収入、健康でジェンダー平等を実現します。クオータ制とは、議員や候補者に一定割合の女性を割り当てる制度です。

選択的夫婦別姓や同性婚の法制化、事実婚の法的保護を推進。多様な家族のあり方を認める社会を目指します。

包括的な差別禁止法を制定し、独立した人権救済機関を設置。性別、人種、障害など、あらゆる差別を禁止する法律の制定を提案しています。

平和外交:憲法9条と基地問題

社民党の公約で最も特徴的なのが平和・外交政策です。

九州や沖縄などへのミサイル配備と基地機能強化「南西シフト」に反対し、辺野古新基地建設にも反対します。米軍に特権を与える日米地位協定を抜本改正し、オスプレイの飛行停止と配備撤回、在日米軍基地の整理・縮小・撤去を進めます。

憲法9条に基づく平和外交を推進し、違憲の安保法制・集団的自衛権を廃止。非核三原則を守り、核兵器禁止条約に加入・批准します。安保3文書(防衛3文書)を廃棄し、武器輸出の拡大を中止。現代版の治安維持法である「スパイ防止法」に反対します。

ロシアのウクライナ侵攻や、イスラエルによるガザ侵攻の即時停戦を求め、国際法違反のアメリカによるベネズエラ侵略に断固抗議します。

政治改革:小選挙区制の見直し

小選挙区制を見直し、比例代表中心の選挙制度に改めます。現行制度は二大政党制を促進し、小政党に不利とされており、多様な民意を反映する選挙制度を目指します。

企業・団体献金は全面禁止。政治資金問題が繰り返される背景には、企業・団体献金の存在があるとして、政党助成金制度を前提に全面禁止を主張します。

公選法を改正し、無制限な首相の衆議院解散権を制約。現在、首相は事実上いつでも衆議院を解散できますが、この解散権を制約することで権力濫用を防ごうとしています。

まとめ:社民党が描く日本の未来

社民党の公約は、消費税ゼロ、最低賃金1500円以上、大学までの教育無償化など、大規模な財政出動を伴う政策が特徴です。財源として大企業の内部留保課税、所得税・法人税の累進強化、防衛費削減を掲げています。

平和政策では、憲法9条の堅持、安保法制の廃止、辺野古新基地建設反対など、一貫した護憲・反基地の姿勢を示します。

社会保障では最低保障年金の創設、医療・介護の充実、ジェンダー平等、マイノリティの権利保障など、リベラルな価値観を前面に打ち出しています。

社民党は小選挙区8名、比例代表7名の計15名の公認候補を擁立。この公約が他党とどう異なり、有権者にどう受け止められるのか、選挙戦での議論が注目されます。

【いまだから社民党】第51回衆議院議員総選挙 衆院選2026
【いまだから社民党】第51回衆議院議員総選挙 衆院選2026 比例代表候補、選挙区候補、2026衆議院総選挙公約のご紹介。
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