2025年も残すところわずかとなりました。この一年を振り返ると、政治の大転換、国際情勢の緊張、科学技術の躍進、そして国民的イベントの成功など、多様な出来事が日本と世界を動かしました。本記事では、2025年の10大ニュースを振り返り、それぞれの意義と影響について解説します。
1. 高市早苗氏、日本初の女性首相に就任
2025年最大の政治ニュースは、高市早苗氏が日本初の女性首相に就任したことでしょう。夏の参議院選挙で惨敗し、衆参で少数与党に転落した石破茂首相の退陣後、自民党総裁選が実施されました。小泉進次郎氏との決選投票の末、高市氏が第29代自民党総裁に選出されました。
しかし、わずか6日後に公明党が「政治とカネ」の問題を巡る自民党の消極姿勢に失望し、連立離脱を表明。政局は一気に流動化しました。自民党は新たな連立相手として日本維新の会と政策合意し、10月21日召集の臨時国会で高市氏が第104代首相に指名され、自維連立政権がスタートしました。
女性首相の誕生は日本政治史の大きな節目であり、ジェンダー平等や政治参加のあり方に新たな視点をもたらすものとして注目されました。
2. 大阪・関西万博、184日間の開催を成功裏に終える
2025年4月13日から10月13日までの184日間、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに大阪・関西万博が開催されました。史上初めて四方を海に囲まれた人工島・夢洲で開催された本万博には、国内開催で過去最多となる158か国・地域、7国際機関が参加しました。
来場者数は2557万8986人に達し、2005年の愛知万博を上回り、1970年の大阪万博に次いで国内開催では2番目に多い記録となりました。運営費の収支は最大280億円の黒字となる見込みで、開催前の懸念を払拭する結果となりました。
世界最大の木造建築物としてギネス世界記録に認定された「大屋根リング」をはじめ、各国パビリオンの展示は「本物を味わえる」と話題になり、SNSでも大きな反響を呼びました。企業対象のアンケートでは67.5パーセントが「一定のプラス効果」と回答し、開催前の期待値を大きく上回る評価を得ました。
3. トランプ大統領、2期目就任で世界経済に波紋
1月20日、ドナルド・トランプ氏が第47代アメリカ大統領に就任しました。就任初日に42本の大統領令などに署名し、パリ協定からの再離脱、不法移民の強制送還、相互関税の導入など、バイデン前大統領の政策から大きく転換する姿勢を鮮明にしました。
4月には輸入品に関税を課す政策を発表し、貿易赤字国に対してより高い「相互関税」を課すことを宣言。この政策により国際貿易に混乱が生じ、企業は生産拠点の移転や調達先の変更といったサプライチェーンの見直しを余儀なくされました。中国からインドやASEAN諸国への生産拠点移転が加速する「チャイナプラスワン戦略」が本格化した年となりました。
4. ノーベル賞、日本人2名がダブル受賞の快挙
2025年のノーベル賞では、生理学・医学賞に大阪大学の坂口志文特任教授、化学賞に京都大学の北川進特別教授が選ばれ、2015年以来10年ぶりの同年ダブル受賞という快挙を成し遂げました。
坂口氏は「制御性T細胞」を発見し、免疫反応を抑えるブレーキ役となる細胞の存在を証明しました。この発見はアレルギーや自己免疫疾患、がんの治療に新たな道を開くものとして高く評価されました。逆風にさらされながらも根気強く研究を続けた姿勢は、多くの研究者に勇気を与えました。
北川氏は気体を自在に出し入れできる「金属有機構造体(MOF)」を開発。環境・エネルギー問題や新素材開発など広範な分野での応用が期待される画期的な新材料です。二酸化炭素の分離・回収に活用できれば、脱炭素社会の実現に大きく貢献することが見込まれています。
両氏とも基礎研究への支援拡充の必要性を訴え、日本の科学技術政策に一石を投じました。
5. 参議院選挙で自公大敗、過半数割れ
7月に実施された参議院議員通常選挙で、自民党と公明党の与党は大敗を喫し、衆参両院で過半数を割り込む事態となりました。2009年の政権交代以来、15年ぶりに与党が過半数割れとなり、政治の流動化が加速しました。
「政治とカネ」の問題が選挙戦の焦点となり、有権者の厳しい審判が下された形となりました。この結果が、その後の石破首相退陣、高市内閣発足、自維連立政権の誕生という一連の政治的激動につながっていきました。
6. コメ価格高騰、政府が備蓄米放出
2025年は国内でコメ価格の高騰が社会問題化した年でもありました。気候変動による不作や流通の問題などが重なり、コメの小売価格が急上昇。家計を直撃する事態となりました。
政府は緊急対策として備蓄米の放出を決定し、価格安定化に乗り出しました。食料安全保障の重要性が改めて認識され、農業政策のあり方を問い直すきっかけとなりました。
7. クマ被害、過去最多を記録
環境省の発表によると、2025年4月から11月のクマによる被害者数は全国で230人と過去最多を記録しました。2023年度の219人を上回り、死亡者も13人と2023年度の6人を大幅に超えました。
ツキノワグマの出没件数も3万6814件で過去最多となり、人間の生活圏へのクマの侵入が常態化しつつあることが明らかになりました。気候変動や森林環境の変化が背景にあるとみられ、野生動物との共生のあり方が問われています。
8. イスラエル・ハマス停戦合意、中東情勢に転機
10月9日、イスラエルとハマスがアメリカの和平案を受け入れ、停戦に合意しました。2023年10月以降激化していた紛争に、一定の区切りがつく形となりました。
この合意により、ガザで拘束されていたイスラエル人人質が解放され、イスラエル軍もガザ地区の一部から撤退する方針が示されました。ただし、停戦後も各地で犠牲者の報告が続いており、真の平和実現には依然として課題が残されています。
中東は産油国が集中する地域であり、この地域の地政学リスクは原油価格や世界経済に直接的な影響を与えます。停戦合意は国際社会に一定の安堵をもたらしました。
9. MLBでドジャース連覇、大谷翔平が大活躍
MLBワールドシリーズでロサンゼルス・ドジャースが2年連続優勝を果たしました。大谷翔平選手はナ・リーグ優勝決定シリーズ第4戦で1番・投手兼指名打者として出場し、二刀流の活躍でシリーズMVPに輝きました。
大谷選手は月間15本塁打を記録するなど打者としても圧倒的な成績を残し、日本人メジャーリーガーとして新たな歴史を刻み続けました。日本国内でも大きな話題となり、明るいニュースとして多くの人々を勇気づけました。
10. 戦後80年、阪神・淡路大震災30年の節目
2025年は終戦から80年、阪神・淡路大震災から30年という大きな節目の年でもありました。1月17日には各地で追悼式典が行われ、災害の記憶と教訓を次世代に継承することの重要性が改めて確認されました。
戦後80年を迎え、戦争体験者の高齢化が進む中、どのように歴史を伝えていくかが課題となっています。また、大規模災害への備えの重要性も、能登半島地震などの相次ぐ自然災害を経験する中で、一層強く意識される年となりました。
おわりに
2025年は政治、経済、科学、国際情勢、そしてスポーツや文化など、あらゆる分野で大きな動きがあった一年でした。日本初の女性首相誕生、大阪・関西万博の成功、ノーベル賞ダブル受賞という明るいニュースがある一方で、政治の混乱、物価高騰、自然災害といった課題にも直面しました。
国際的にはトランプ政権の復活により世界経済が揺れ動き、中東情勢も大きな転換点を迎えました。これらの出来事が2026年以降の日本と世界にどのような影響を与えていくのか、引き続き注視していく必要があるでしょう。
2025年の経験と教訓を活かし、より良い未来を築いていくことが、私たちに課された使命といえるのではないでしょうか。

