【第51回衆院選】各政党の外国人政策を徹底比較:移民・留学・就労・観光への対応は?

時事

2026年2月8日投開票の第51回衆議院選挙では、外国人政策が重要な争点の一つとなっています。労働力不足、インバウンド観光、社会統合――これらの課題に対し、各政党はどのような方針を掲げているのでしょうか。本記事では移民、留学、就労、観光の4つの視点から比較します。

政策の全体像:3つの立場

厳格派:移民・外国人受け入れの大幅制限(参政党、日本保守党)

管理強化派:受け入れ継続+管理厳格化(自民党、国民民主党)

権利保障派:外国人の権利保護・共生重視(共産党、社民党)

移民政策:「NO!移民国家」vs「多文化共生」

厳格派の主張

参政党は「NO!移民国家」をスローガンに、外国人総合政策庁の新設、受け入れ総量規制、不法滞在取り締まり強化、外国人不動産取得の厳格化を主張。スパイ防止法の整備も掲げています。

日本保守党も「移民はもういらん」として、入管難民法の厳正化、経営・管理ビザの相手国制限、特定技能2号の家族帯同制限、外国人の健保・年金の別立て制度化を訴えています。

管理強化派の主張

自民党は安全保障の観点から外国人の土地取得規制強化を検討、インバウンド対策も推進。国民民主党は「運用適正化」を掲げ、外国人旅行客への消費税免税制度見直しや入国税拡大を提案しています。

権利保障派の主張

共産党は「排外主義に断固反対」を明記し、難民・外国人労働者の権利保護を重視。社民党は多文化共生の観点から、朝鮮学校無償化や仮放免中の子どもの教育権保障を主張しています。

留学政策:厳選 vs 権利保障

厳格派の主張

日本保守党は、留学生制度について安全保障の観点から出身国を厳選し、外国人学生への補助金見直しを進めるとしています。現行の留学生支援策を大幅に見直す方針を示しています。

権利保障派の主張

社民党は、仮放免中の子どもを含めすべての子どもに学ぶ権利を保障する立場から、外国人の教育機会確保を重視しています。朝鮮学校の無償化除外についても是正を求めています。

その他の政党は、留学政策について具体的な言及を公約には明記していません。

就労政策:労働力確保 vs 日本人優先

外国人労働者受け入れに慎重・反対

参政党日本保守党れいわ新選組は外国人労働者の大幅受け入れに反対。労働力不足はAI・ロボット技術や生産性向上で解決すべきとしています。

日本保守党は特定技能2号の家族帯同制限を明言。

れいわ新選組は「移民政策に反対」を明確に掲げ、安い労働力として外国人を利用する現行制度を批判。山本太郎代表はX(旧Twitter)で「よその国の人間を奪って、この国に住んでくれ、っていうものを政策にするなんて、狂ってる」と述べ、経団連の要請で低賃金外国人労働者の受け入れが拡大されたことを厳しく批判しています。ただし、既に日本に住む外国人の基本的人権は守られるべきとしています。

受け入れ継続+管理適正化

自民党日本維新の会国民民主党は特定技能制度の枠組みを維持しつつ、管理適正化を主張。

日本維新の会は「維新八策2026」で「人口政策及び外国人政策」の章を設け、専門的・技術的分野の外国人については積極的に受け入れる一方、それ以外の就労目的の外国人については「わが国における賃金水準の向上の阻害、地域社会における摩擦等の弊害を生じさせることのないよう、日本語能力および日本文化の理解等について現行よりも高い水準を満たし、技能水準の継続的な向上等を通じてわが国経済の成長に貢献し得る人材に限って受け入れを行います」と明記。受け入れ数の制限と質の重視を打ち出しています。

また、外国人参政権については「安全保障上の観点などから、各級選挙や住民投票における外国人参政権付与については認めない」とする一方、「帰化を望む永住外国人のため帰化手続きのさらなる合理化と適正な運用を推進」するとしています。

権利保護重視

共産党は外国人労働者の権利保護を重視し、強制送還に反対しています。

観光政策:経済効果 vs オーバーツーリズム

自民党は「オーバーツーリズム対策とインバウンド受入れの両立」を掲げ、観光立国としての経済効果を重視しつつ地域への配慮も示しています。

国民民主党は外国人旅行客への消費税免税制度見直しと入国税拡大を提案。観光客からの税収確保を目指しています。

参政党はオーバーツーリズム対策を明確に打ち出し、外国人総合政策庁による総合管理を主張しています。

社会保障:別立て制度 vs 共通制度

日本保守党は、外国人の健康保険・年金を日本人とは別立ての制度にすることを主張。外国人の国保未納率が4割近くに上ることを問題視し、制度の持続可能性を重視しています。国民民主党も運用適正化を掲げています。

一方、共産党社民党は、外国人も含めた社会保障の充実を主張し、制度分離には反対の立場です。

政策カテゴリーの整理

各政党の外国人政策を整理すると、以下のようになります。

受け入れ厳格化(移民反対)

  • 参政党:NO!移民国家、外国人総合政策庁新設、受け入れ総量規制
  • 日本保守党:移民はもういらん、入管法厳格化、健保・年金別立て
  • れいわ新選組:移民政策反対、安い労働力としての外国人受け入れ批判

管理強化(現状維持+厳格化)

  • 自民党:外国人の土地取得規制、安全保障重視
  • 日本維新の会:外国人受け入れ数制限、インテリジェンス分野でのスパイ防止法制定
  • 国民民主党:運用適正化、免税制度見直し、観光税拡大

権利保障・共生重視

  • 共産党:排外主義反対、難民・外国人労働者の権利保護
  • 社民党:多文化共生、朝鮮学校無償化、仮放免中の子どもの教育権

具体的言及が限定的

  • 中道改革連合チームみらい

まとめ:問われる日本の外国人政策

外国人政策は、日本社会の未来を左右する重要テーマです。

厳格派は移民国家化への反対を掲げ、受け入れ制限を主張。労働力不足は技術革新と賃金引き上げで解決すべきとしています。

管理強化派は受け入れ継続を前提に、安全保障や財政負担の観点から管理適正化を求めています。

権利保障派は人権保護と多文化共生を重視し、排外主義に反対しています。

これらの違いは、労働力確保と社会統合、経済成長と文化保全、グローバル化と国民保護という、根本的な価値観の差を反映しています。有権者には、これらの視点を総合的に考慮した判断が求められています。


本記事は各党の公式マニフェスト・政策集に基づき作成しました。政策の詳細は各党公式サイトをご確認ください。

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