2026年2月8日投開票の第51回衆議院議員総選挙に向けて、日本共産党が「2026総選挙政策アピール」と重点政策を発表しました。「高市自民・維新政権と正面から対決し、自民党政治そのものを変える」と訴える共産党の公約を詳しく解説します。
公約の全体像:「暮らし・平和・人権」の3本柱
日本共産党は今回の衆院選を「行き詰まり・疑惑隠し解散」と位置づけ、高市自民・維新政権との「正面対決」を掲げています。公約の柱は、大株主・大企業応援から「国民の暮らし第一の政治」への転換、「アメリカ言いなり」をやめ外交の力で平和をつくること、一人ひとりの人権と尊厳が大切にされる社会の実現——の3点です。
経済・暮らし政策:消費税5%減税と最低賃金1500円
共産党の経済政策は「大株主・大企業応援から暮らし応援へ」の転換を軸としています。
現状認識
株価は5万円超え史上最高値、大企業は4年連続で史上最高益の一方、実質賃金は11カ月連続減少でアベノミクス開始から12年で年額34万円減と指摘。企業倒産は12年ぶりに1万件超えです。
消費税5%への減税とインボイス廃止
消費税廃止を目指しつつ、ただちに5%への減税を実行。高市政権の「2年限定の食料品消費税ゼロ」は一時的で2年後に「増税不況」を招くと批判し、「責任ある財源論を示すのは共産党だけ」と主張。インボイス制度も廃止します。
最低賃金1500円、将来的に1700円へ
最低賃金を全国どこでもすぐに時給1500円に、さらに1700円を目指します。大企業の内部留保(561兆円)に時限的に課税し5年間で10兆円以上を確保、中小企業の賃上げ支援に充てます。
労働時間短縮と社会保障拡充
「1日7時間、週35時間」労働制を目指し、高市政権の残業規制緩和に断固反対。社会保障では、高額療養費制度の負担上限額引き上げ反対、国保料引き下げのための公費1兆円投入、介護保険の国庫負担割合引き上げ(25%→35%)、マクロ経済スライド撤廃による年金額引き上げを掲げています。教育では大学学費半額への引き下げ、入学金廃止、30人学級の実現を訴えています。
外交・安全保障政策:大軍拡反対と憲法9条堅持
軍事費GDP比3.5%に反対
トランプ政権のベネズエラ侵略を「国連憲章違反」と批判し、高市政権の追随を「アメリカ言いなり」と断じています。軍事費GDP比2%の前倒し達成に加え、3.5%(21兆円)を目指していることを批判。医療・介護・生活保護の国費合計18兆円を上回る大軍拡は「平和も暮らしも壊す”亡国の道”」と訴えています。
憲法9条堅持と平和外交
非核三原則放棄を狙う安保3文書改定に反対し、核兵器禁止条約への参加を要求。辺野古新基地建設の中止、日米安保条約廃棄と日米友好条約締結を掲げています。ASEANと協力した「東アジア平和提言」に基づく対話外交を推進し、日中関係では「互いに脅威とならない」の原則に立ち返ることを求めています。
人権・ジェンダー政策:選択的夫婦別姓と同性婚
選択的夫婦別姓と同性婚の実現
高市首相が「通称使用の法制化」で選択的夫婦別姓を阻止しようとしていることを批判し、「今すぐ」の実現を訴えています。5つの高裁が違憲判決を出している同性婚についても、民法改正による法制化を掲げています。
男女賃金格差の是正と排外主義反対
企業に賃金格差の実態公表と是正計画策定を義務づけ、政府が監督する仕組みをつくることを提案。「差別と分断をあおる極右・排外主義の政治に断固反対」を明記し、難民や外国人労働者への強制送還加速を批判しています。
政治改革:企業・団体献金の全面禁止
統一協会・裏金問題の追及
統一協会の内部文書に高市首相の名前が32回登場し、「高市氏が総裁になることが天の最大の願い」と記述されていたことを指摘。裏金問題では、高市首相が関与議員を党三役や政務官に起用したことを批判し、高市氏自身の政党支部が法定上限超の1000万円の企業献金を受けていたことも追及しています。
企業・団体献金の全面禁止と議員定数削減反対
パーティー券購入を含む企業・団体献金の全面禁止、政党助成制度の廃止を主張。共産党自身が両方を受け取らないことで「誰に遠慮もなく不正を追及できる」と強調しています。自民・維新の「衆院議員定数1割削減」には反対し、小選挙区制を廃止して「全国11ブロックごとの完全比例代表制」への改革を提案しています。
財源提案:30兆円の財源確保策
共産党は消費税減税や社会保障拡充などに必要な年間30兆円規模の財源を具体的に示しています。
支出(30兆円):消費税5%減税に16.3兆円、暫定税率廃止・軍拡増税中止に2兆円、賃金・雇用に2.3兆円、社会保障に6.1兆円、子育て・教育に4.5兆円など。
財源確保(30兆円):法人税率を28%に戻すことで4.3兆円、大企業優遇税制廃止・縮減で10兆円、富裕層への課税強化で2.2兆円、所得税・相続税の最高税率引き上げで1.4兆円、富裕税・為替取引税創設で3.2兆円、軍事費・大企業補助金削減で6.4兆円。
高市内閣の「責任ある積極財政」を「無責任な放漫財政」と批判し、安易な国債増発は物価高騰を深めるだけだと主張しています。
まとめ:「ブレずにはたらく」党の躍進を訴え
日本共産党の公約は、高市自民・維新政権への「正面対決」を鮮明にし、消費税5%減税、最低賃金1500円、軍事費大増額反対、憲法9条堅持、選択的夫婦別姓・同性婚の実現など具体的政策を多数掲げています。
特徴的なのは、30兆円規模の財源を「大企業・富裕層への応分の負担」と「軍事費削減」で確保するという具体的な財源論です。また、裏金問題を暴露した「しんぶん赤旗」の役割を強調し、企業・団体献金を受け取らない党だからこそ不正を追及できると訴えています。
「憲法を真ん中にすえた確かな共同」を呼びかけ、「比例代表は日本共産党に」の声を広げ、沖縄1区の議席を守ることを訴えています。「暮らし・平和・人権、国民のためにブレずにはたらく」——共産党の基本姿勢を明確にした公約が、有権者にどう受け止められるか注目されます。


