2026年2月8日投開票の第51回衆議院議員総選挙に向けて、チームみらいが公約を公表しました。2025年の参院選で国政政党となったばかりの「日本一若い政党」が、初の衆院選で掲げる政策とは。本記事では、チームみらいの公約の要点を詳しく解説します。
チームみらいとは:テック政党の誕生
チームみらいは、AIエンジニアの安野貴博氏が2025年5月に立ち上げた政党です。安野氏は2024年の東京都知事選で約15万票を獲得し注目を集め、政治の中枢からテクノロジーを活用した改革を実現するため新党を結成しました。
参院選での国政政党化
2025年7月の参院選で比例区1議席を獲得し、得票率2.6%で政党要件を満たしました。党首の安野氏が比例全体11位の約24万票を集め、150万票を超える総得票で国政政党となりました。国政政党化後は政党交付金を活用して「永田町エンジニアチーム」を発足し、政治資金の可視化ツール「みらいまる見え政治資金」などを開発しています。
今回の第51回衆院選には11名の公認候補を擁立し、5議席以上の獲得を目指しています。候補者平均年齢35歳と「日本一若い政党」の特色を維持しています。
「未来」に向けた成長投資:子育て減税と新産業
公約の第1の柱は「未来に向けた成長投資」です。
子育て減税
既存の児童手当とは別に、新たに「子育て減税」を導入します。子どもの数に応じて親の税負担を軽減する仕組みで、子育てを「家族だけでなく社会全体で支え合う」という考え方に基づいています。参院選でも主要公約として掲げ、子育て世帯から支持を集めました。
新産業で経済成長
経済政策では「パイの再分配ではなく、パイを大きくする」ことを目指し、AI、ロボット、自動運転など成長産業への投資を重視。人口減少と労働力不足が進む中、「AIやロボットにどれだけ働いてもらえるかが極めて重要」という認識のもと、技術革新による生産性向上を経済成長の原動力と位置づけています。
移動の不自由ゼロ
自動運転技術の普及により「日本全国どこでも移動できる社会」を目指します。高齢者や地方在住者を含め「誰もが移動に困ることのない社会」の実現を掲げ、技術を支える大学や高専への投資拡大も公約に含まれています。
「今」の生活をしっかり支援:社会保険料と高額療養費
第2の柱は「今の生活をしっかり支援」です。物価上昇が続く中、働く人の負担軽減を優先しています。
社会保険料の引き下げ
手取りを増やすため、消費税減税よりも社会保険料の引き下げを優先する方針を明確にしています。「働く意欲を高める」ことを目的に、給与から天引きされる社会保険料の負担軽減を訴えています。
一方で、消費税については「社会を支えるための土台」として現行税率を維持する立場です。消費税廃止や減税を掲げる他党とは一線を画し、財政の安定性を重視する姿勢を示しています。
高額療養費制度の維持
政府が検討を進めている高額療養費制度の負担上限額引き上げには明確に反対しています。
チームみらいは「どんな人でも大きな病気や怪我にみまわれる可能性がある」として、高い治療費がかかっても支払額が一定限度に抑えられる現行制度を「わたしたちの安心の要」と位置づけ、現状維持を主張しています。
「テクノロジー」で行政・政治改革
第3の柱は「テクノロジーで行政・政治改革」です。チームみらいの最大の特色であるデジタル技術を活用した改革を掲げています。
プッシュ型給付の実現
現在の行政サービスは「申請主義」が基本で、支援を受けるには自分で調べて役所に行き、複雑な手続きをする必要があります。チームみらいはこれを「プッシュ型」に転換し、行政サービスや給付金が必要な人に「自動で届く」仕組みの実現を目指しています。安野氏は参議院総務委員会でもこの政策を訴えています。
「政治とカネ」問題の解決
政治資金の透明化では、永田町エンジニアチームが開発した「みらいまる見え政治資金」を活用します。銀行口座やクレジットカードのデータと会計ソフトを連携させ、政治家の収支を誰もが確認できる形で公開。従来の単式簿記に代わり複式簿記を導入し、キャッシュレス化で不透明な資金の流れを防止します。
このツールはオープンソースとして公開されており、他の政党や地方議員にも導入を呼びかけています。
まとめ:「未来は明るいと信じられる国へ」
チームみらいの公約は、「未来・今・テクノロジー」の3本柱で構成されています。
公約の特徴
最大の特徴は、テクノロジーを政策実現の手段として前面に打ち出している点です。政治資金の可視化、プッシュ型給付、自動運転による移動支援など、具体的なデジタル技術の活用方法を示しています。
経済政策では、消費税減税よりも社会保険料引き下げを優先する現実的なアプローチを取り、高額療養費制度の維持など社会保障の安定性も重視。「パイの再分配ではなくパイを大きくする」という成長志向の姿勢も明確です。
「ブロードリスニング」によるアップデート
有権者の意見を政策に反映させる「ブロードリスニング」も特徴的です。参院選で活用した「しゃべれるマニフェスト」のアップデート版を近日公開予定としており、有権者との対話を通じて公約を改善していく方針です。
初の衆院選に挑む
2025年7月に国政政党となってからわずか半年での衆院選挑戦となります。参院選では東京都、川崎市、流山市、つくば市などIT企業や研究機関が集まる地域で高い得票率を記録しており、今回も同様の支持基盤を軸に戦いを進めるとみられます。
「ここから先の未来は明るい、と希望を持てる日本にしたい」——チームみらいが掲げるこのビジョンが有権者にどう響くか、初の衆院選の結果が注目されます。


