2026年2月8日の投開票に向けて、第51回衆議院議員総選挙は選挙戦の折り返しを迎えました。1月23日の解散から投開票までわずか16日間という戦後最短の選挙日程、公示から12日間の選挙運動期間の中、与野党が激しい攻防を繰り広げています。
36年ぶりの「真冬の選挙」
今回の衆院選は、1990年以来36年ぶりとなる2月投開票の選挙です。高市早苗首相が通常国会冒頭で衆議院を解散するという、1966年の「黒い霧解散」以来60年ぶりの冒頭解散に踏み切りました。
背景には、2024年10月の前回衆院選での自民党大敗、2025年7月の参院選敗北を経て退陣した石破内閣の後を受けた政治状況があります。高市政権発足後も少数与党での国会運営を強いられ、公明党の連立離脱を受けて日本維新の会との自維連立政権を樹立。この新たな枠組みについて国民の信を問うとして解散に踏み切りました。
序盤情勢:予測は真っ二つに
公示直後の世論調査では、興味深い結果が出ています。
読売新聞・日経新聞の調査では、自民党が単独でも過半数(233議席)をうかがう勢いと報じられました。解散時点で自民196議席、維新34議席の計230議席と過半数を下回っていた与党ですが、序盤は大幅な議席増が見込まれるという分析です。
一方、週刊文春の予測では与党合計で過半数ギリギリという見方も。「選挙の神様」と称される元自民党事務局長の久米晃氏は「現時点で自民の大勝はない」と断言し、特に創価学会票の動向が結果を左右すると指摘しています。
最大の焦点:「中道改革連合」の誕生
今回最も注目すべきは、立憲民主党と公明党による新党「中道改革連合」(略称:中道)の結成です。1月16日に設立されたこの新党は、26年間続いた自公連立政権の解消を受けて誕生しました。
野田佳彦氏と斉藤鉄夫氏が共同代表を務め、「生活者ファースト」を掲げて高市政権に対抗。比例代表では統一名簿を作成し、小選挙区では旧公明党側が候補擁立を見送る形で選挙協力が行われています。
時事通信の試算によれば、公明支持層の票が流れた場合、35選挙区で当落が入れ替わり新党が比較第1党となる可能性も。ただし地方レベルでは自民と公明の協力が続くケースもあり、影響は読み切れません。
消費税減税:与野党の減税合戦
物価高対策として消費税減税が最大の争点となっています。
自民・維新の与党は、飲食料品について2年間限定で消費税免除を検討すると公約。中道改革連合は今年秋から恒久的に食料品の税率ゼロを掲げています。国民民主党は一律5%への減税、れいわ新選組や参政党は廃止を主張。
ただし財源確保は課題です。食料品税率ゼロで年間約5兆円、一律5%なら約15兆円の税収減となります。高市首相の減税表明時には国債が売られ、長期金利が約27年ぶりの高水準となるなど市場の警戒感も示されています。
注目の選挙区
与野党の構図が複雑化した今回、全国で激戦区が生まれています。
特に注目は自民・維新の連立与党同士が激突する選挙区。全国85選挙区以上で両党候補が競合し、「与党内対決」という異例の構図です。神奈川10区では自民ベテランと維新前職が与党同士で争います。
中道改革連合幹部にも苦戦報道があります。宮城4区の安住淳共同幹事長、埼玉5区の枝野幸男元代表が序盤調査で接戦との情報も。東京では30選挙区で与野党激突、東京1区の海江田万里vs山田美樹、東京7区の丸川珠代復帰戦など注目の戦いが続きます。
投票に向けて
高市首相は「与党で過半数に届かなければ即刻退陣」と進退を明言。中道改革連合は「高市政権に審判を」と訴え比較第1党を目指します。
真冬の選挙で積雪地域の投票アクセスが懸念されるため、期日前投票(2月7日まで)の活用が呼びかけられています。
自維連立の継続か、中道を軸とした政権交代か、あるいは国民民主・参政党など第三極の躍進か。2月8日の結果が日本政治の行方を左右します。
本記事は2026年2月2日時点の情報に基づいています。

