2月16日から確定申告の受付が始まります。「確定申告は個人事業主がするもの」と思っている会社員の方も多いのではないでしょうか。しかし実は、会社員でも確定申告をすることで税金が戻ってくるケースが数多くあります。この記事では、会社員が確定申告をするメリットと、どんな場合に申告すべきかを詳しく解説します。
会社員でも確定申告が必要・有利なケース
医療費控除で税金が戻る
年間の医療費が10万円を超えた場合、または総所得金額が200万円未満の場合は所得金額の5%を超えた場合、医療費控除を受けられます。
対象となる医療費の例:
- 病院での診療費、薬代
- 通院のための交通費(公共交通機関)
- 歯科治療費(保険適用外も含む)
- 出産費用
- 介護サービス費用の一部
例えば、年収500万円の会社員が年間30万円の医療費を支払った場合、約4万円の還付が期待できます。家族全員の医療費を合算できるため、思った以上に金額が大きくなることも。
ふるさと納税の控除
ふるさと納税は、寄付金控除として所得税と住民税から控除を受けられます。ワンストップ特例制度を利用すれば確定申告不要ですが、次のような場合は確定申告が必要です。
- 6自治体以上にふるさと納税をした
- 医療費控除など他の控除も申請する
- ワンストップ特例の申請を忘れた
確定申告をすれば、所得税分は還付金として戻り、住民税は翌年度から減額されます。
住宅ローン控除(初年度)
住宅ローンを組んでマイホームを購入・リフォームした場合、最大13年間、年末のローン残高の0.7%が控除されます。ただし、初年度のみ確定申告が必要です。
控除額の例: 年末ローン残高3,000万円の場合、最大21万円の控除(3,000万円×0.7%)
2年目以降は年末調整で対応できるため、初年度だけ手続きすればOKです。
副業収入がある場合
会社員でも副業をしている方が増えています。副業の所得が20万円を超える場合は確定申告が必要ですが、20万円以下でも申告するメリットがあります。
申告するメリット:
- 副業で支払った経費を差し引ける
- 源泉徴収された税金が戻る可能性
- 赤字の場合、給与所得と損益通算できる
例えば、副業収入が15万円でも、経費が10万円かかっていれば実質所得は5万円。源泉徴収されていた場合、差額が還付されます。
年の途中で退職・転職した場合
年の途中で退職し、年内に再就職しなかった場合、前の会社で源泉徴収された税金が払いすぎになっている可能性があります。確定申告をすることで還付を受けられます。
また、転職した場合でも、前の会社の源泉徴収票を新しい会社に提出し忘れると、年末調整が正しく行われません。この場合も確定申告で調整できます。
雑損控除・災害減免法
災害、盗難、横領などで損害を受けた場合、雑損控除を受けられます。また、災害により住宅や家財に損害を受けた場合は、災害減免法による所得税の軽減・免除を受けられる可能性があります。
特定支出控除
会社員の経費とも言える特定支出控除。次のような支出が対象です。
- 通勤費(会社が負担しない分)
- 転居費
- 研修費
- 資格取得費
- 単身赴任の帰宅旅費
- 図書費、衣服費、交際費(上限あり)
給与所得控除額の半分を超える特定支出があれば、超えた部分を控除できます。年収500万円の場合、約77万円を超える支出があれば対象になります。
確定申告のタイミングと方法
申告期間
- 所得税の確定申告: 2月16日〜3月15日(2026年は2月16日が日曜のため17日から)
- 還付申告: 1月1日から5年間可能
還付を受けるだけの場合は、2月15日以前でも申告できます。混雑を避けたい方は早めの申告がおすすめです。
申告方法
- e-Taxによるオンライン申告
- マイナンバーカードとスマホで完結
- 24時間いつでも申告可能
- 添付書類の提出省略可
- 税務署へ郵送
- 書類を作成して郵送
- 控えに受領印が必要な場合は返信用封筒を同封
- 税務署の窓口で提出
- 直接持参して提出
- 記入方法がわからない場合は相談可能
必要な書類
- 源泉徴収票
- 各種控除証明書(医療費の領収書、寄付金受領証明書など)
- マイナンバーカード(または通知カード+本人確認書類)
- 還付金を受け取る口座情報
まとめ:確定申告で賢く節税
会社員でも確定申告をすることで、払いすぎた税金を取り戻せる可能性があります。特に医療費が多かった年、住宅ローンを組んだ初年度、副業を始めた年などは要チェックです。
還付申告は過去5年分まで遡って申請できるため、「去年申告し忘れた」という方も諦める必要はありません。e-Taxを使えば自宅から簡単に申告できるので、この機会にぜひチャレンジしてみてください。
数万円の還付金が戻ってくることも珍しくありません。少し手間はかかりますが、それに見合うメリットは十分にあります。
参考リンク
確定申告をスムーズに進めるために、以下の公式サイトをご活用ください。
確定申告全般
- 国税庁 確定申告書等作成コーナー
https://www.keisan.nta.go.jp/
画面の案内に従って入力するだけで申告書を作成できます。そのままe-Taxで送信も可能。 - 国税庁 タックスアンサー(税の相談室)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/index2.htm
各種控除や申告に関する詳しい解説が掲載されています。
e-Tax関連
- e-Tax(国税電子申告・納税システム)
https://www.e-tax.nta.go.jp/
オンライン申告の総合サイト。マイナンバーカード方式とID・パスワード方式の選択が可能。 - マイナポータル
https://myna.go.jp/
マイナンバーカードを使った各種行政手続きのポータルサイト。e-Taxとの連携も可能。
各種控除
- 医療費控除の明細書(国税庁)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/yoshiki/01/shinkokusho/02.htm
医療費控除に必要な明細書のダウンロードと記入方法の説明。 - ふるさと納税サイト(総務省)
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/about/
ふるさと納税制度の概要と控除上限額の計算方法。 - 住宅ローン減税(国土交通省)
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000017.html
住宅ローン控除の制度概要と適用要件。
その他
- 国税庁 確定申告に関するお知らせ
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kakutei.htm
申告期間や提出方法など、最新情報が掲載されています。 - 所轄税務署の検索
https://www.nta.go.jp/about/organization/access/map.htm
お住まいの地域を管轄する税務署を検索できます。
これらの公式サイトを参考に、自分に合った方法で確定申告を進めてください。不明な点があれば、税務署の相談窓口や税理士に相談することをおすすめします。
